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紡績の可能性~ハイブリッドの生む効果~

 
6月20日、山形県鶴岡市のバイオベンチャーのスパイバー(関山和秀代表執行役)が開発した
クモ糸構造タンパク繊維(「ブリュード・プロテイン」)で作られたTシャツ
“Planetary Equilibrium Tee”がアウトドアブランド「ザ・ノース・フェイス」から
8月下旬に発売されることが発表されました。
 
この開発には、長谷虎紡績も 2014年3月から参画して参りました。
今から5年前に、スパイバーの関山和秀様にお会いし、石油由来ではない全く新しい素材とその可能性に魅力を感じ
何よりも世界をより良くしたいという関山様の熱い思いに共感し
弊社トップの英断でこの取り組みがスタート致しました。
 
そして、そのトップの思いをもとに会社全体が一体となり、実際の開発は若手社員が中心となり
そこにベテラン社員がサポートを行い、まさにものづくりの現場でも若手とベテランのハイブリッドが生まれました。
 

 
しかし、全く新しい素材ということもあり、ここまで来るまでには大きな困難もありました。
スパイバーから提供される素材も十分な量でないこともあり、限られた環境の中で何度も関係者が集い
最善の方法を見出しながら、この開発に繋がりました。
 
紡績という素材を自由に組み合わせ、ブレンドできるという技術は、この開発には必要不可欠なものでした。
素材にはそれぞれ様々な特性があります。時にはそれは欠点にもなります。
その欠点をどう補い、その良さを最大限に引き出すか。
まさに今回発売されたTシャツは、ブリュード・プロテインと天然のコットンのハイブリッドによる
夢のTシャツだと感じています。
 
日本の紡績は、ピーク時からその規模は数十分の1まで減りました。紡績だけに限らず
日本の繊維産業は厳しい環境にあるのも事実です。
しかし、日本の繊維産業の技術はまだまだ世界でも高い水準にあります。
事実、この製品化の陰には当社だけに限らず、染色工場など様々な国内の中小企業の技術力がありました。
こうした企業のハイブリッドにより、困難な開発を可能にすることができました。
 
今回のTシャツの発売は、素材のハイブリッド、製造現場の若手とベテランのハイブリッド
国内の繊維企業のハイブリッド、まさに日本の繊維の可能性を示した、素晴らしいものだと感じています。
 
そして私たちの新たな夢は、「素材で世界を変える」ことです。
この思いをこれからも忘れることなく、今後もあらたな挑戦をして行きたいと思います。
 
最後に、地元の若者にもこうした夢に向かって挑戦する企業があることを知ってもらい
地元への誇りと郷土愛を持ってもらうことが、トップの思いでもあり願いでもあります。
 
地方から日本を元気にする企業へ。まだまだ私たちの挑戦は続きます。
 
社長室 長谷享治

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