先日、アメリカ合衆国シカゴで開催された「NEOCON2019」の視察に行ってまいりました。
年に一度開催されるNEOCONですが、今年も6月10日から3日間に渡って開催され
500社を超える企業が出展し、今年で51回目を迎えました。
会場となったマーチャンダイズマートは商業施設としては世界一の延床面積がある建物だそうで
高さ104m・25階建てのビルの敷地はなんと39,000㎡だそうです。
建築はアールデコ・クラシックスタイルが用いられており古代のピラミッド建築に強い影響を受けているそうです。
ロビーは豪華に仕上げられていて、1930年に完成した建物とは思えない荘厳な佇まいに思わず息を呑みました・・・。
一時衰退した歴史もありましたが、今では世界で一番大きな貿易センタービルとして
シカゴのランドマークとなっています。
ロビーを後に展示会場へ移動しますと、見渡す限りに人で溢れた光景が飛び込んできます。
初日とあって、互いにNEOCONの開催を心から喜び合う姿で会場はハッピーな空気に包まれていました。そして何より自社の製品を熱心に説明される姿が、会場の熱気をより熱いものへと盛り上げていたように感じます。
華やかなカーペットはまるで一枚の絵画の様です。
今年は色彩豊かなプリントカーペットが会場を彩っていたのが印象的でした。
最新鋭のマシンや新技術の賜物であるカーペットからは、デザインする楽しさがひしひしと伝わり
非常に大きな刺激をもらえました。
ここ数年、技術の進化とともにカーペットの形態やデザインが多岐にわたっています。
そんな最先端のデザインやテクノロジーを感じながら見る展示会は、多くの実りと共に充実感を得る事ができました。
そして世界各国からあらゆる人種が一同に集まり、熱心に視察する姿はモノづくりに取り組む姿勢そのもので
こうした姿こそ新しい製品が生まれる根源なのだと感じています。
今回の視察で得た貴重な経験をフィードバックし、新たな商品を皆様へお届けできますよう
更なる技術とデザインの向上に務めてまいりまいりたいと思います。
営業部 藤井 優
デザイナー 片桐恵理
日常、お仕事で大阪府は堺市へ出かけることがあります。
もう30年以上になりますが、織物の晒加工をお願いしていますので打合せ等々で良く出向きます。
堺市には伝統産業の中に和ざらし(和晒)というのもがあり
明治20年頃に水量豊かな石津川沿いの毛穴(けな)地域に【和ざらし】という産業がおこりました。
【和ざらし】に必要な水と自然の日光に干す為の広い土地という自然条件
に恵まれていることと、泉州特産の綿織物が、大阪の問屋に流れる
流通経路の中間に位置している為です。
【 堺の伝統産業・・・・和晒 】
織り上がった生地には、綿に含まれている成分や製糸にする際の糊などが付着しています。
これらの不純物を取り除く為の加工をし真っ白な綿布にする工程が【晒】なのです。
本日は、その工程を少しご紹介してみたいと思います!!
最初の画像は、晒釜・・と言われるものです。
この晒釜の中に、綿織物を入れて、大量の水と薬剤を投入し、
1日掛けて不純物を取り除きながら、真っ白な織物にします・・・これが晒です。
↑これは遠心分離機と言い、晒釜から出てきた生地(濡れている)を
この中に入れて脱水を行う為の機械です。
この後は完全乾燥機に掛けます、その機械が↓下の写真です。
真っ白に晒された綺麗な綿織物ですね。
この綺麗な織物を、シリンダー乾燥機(アイロンの様なものです)に掛けて製品に仕上げて行くんです。
↓これは、規定に沿った生地幅にするための幅出しするテンターというものです。
その後、整理をする為に綺麗に機械で畳んでいくのがメーター畳機というものです。
下の写真がそれ・・です。。
堺市の伝統産業である、泉州織物に対する【和ざらし】の工程を紹介させて頂きました。
沢山の工程を通って製品にしていくのが良くわかりますよね。
色んな方々の手によって伝統が守られて行きます。
小生がお仕事をお願いしているこの和晒の加工メーカーさんは創業108年目です。
伝統を人から人へ継承されて行ってます。
この素晴らしい伝統を活かさせて頂きながら、30年以上お仕事をさせて頂いています。
今後150年、、200年とこの伝統が受け継がれていくことを願います。
簡単では御座いますが、紹介させて頂きます。
有難う御座いました。
紡績部門 資材・商品部 平川 克己
6月20日、山形県鶴岡市のバイオベンチャーのスパイバー(関山和秀代表執行役)が開発した
クモ糸構造タンパク繊維(「ブリュード・プロテイン」)で作られたTシャツ
“Planetary Equilibrium Tee”がアウトドアブランド「ザ・ノース・フェイス」から
8月下旬に発売されることが発表されました。
この開発には、長谷虎紡績も 2014年3月から参画して参りました。
今から5年前に、スパイバーの関山和秀様にお会いし、石油由来ではない全く新しい素材とその可能性に魅力を感じ
何よりも世界をより良くしたいという関山様の熱い思いに共感し
弊社トップの英断でこの取り組みがスタート致しました。
そして、そのトップの思いをもとに会社全体が一体となり、実際の開発は若手社員が中心となり
そこにベテラン社員がサポートを行い、まさにものづくりの現場でも若手とベテランのハイブリッドが生まれました。
しかし、全く新しい素材ということもあり、ここまで来るまでには大きな困難もありました。
スパイバーから提供される素材も十分な量でないこともあり、限られた環境の中で何度も関係者が集い
最善の方法を見出しながら、この開発に繋がりました。
紡績という素材を自由に組み合わせ、ブレンドできるという技術は、この開発には必要不可欠なものでした。
素材にはそれぞれ様々な特性があります。時にはそれは欠点にもなります。
その欠点をどう補い、その良さを最大限に引き出すか。
まさに今回発売されたTシャツは、ブリュード・プロテインと天然のコットンのハイブリッドによる
夢のTシャツだと感じています。
日本の紡績は、ピーク時からその規模は数十分の1まで減りました。紡績だけに限らず
日本の繊維産業は厳しい環境にあるのも事実です。
しかし、日本の繊維産業の技術はまだまだ世界でも高い水準にあります。
事実、この製品化の陰には当社だけに限らず、染色工場など様々な国内の中小企業の技術力がありました。
こうした企業のハイブリッドにより、困難な開発を可能にすることができました。
今回のTシャツの発売は、素材のハイブリッド、製造現場の若手とベテランのハイブリッド
国内の繊維企業のハイブリッド、まさに日本の繊維の可能性を示した、素晴らしいものだと感じています。
そして私たちの新たな夢は、「素材で世界を変える」ことです。
この思いをこれからも忘れることなく、今後もあらたな挑戦をして行きたいと思います。
最後に、地元の若者にもこうした夢に向かって挑戦する企業があることを知ってもらい
地元への誇りと郷土愛を持ってもらうことが、トップの思いでもあり願いでもあります。
地方から日本を元気にする企業へ。まだまだ私たちの挑戦は続きます。
社長室 長谷享治
6月3日、当社の創業記念日(6月1日)に合わせて創業132周年の記念式典が執り行われました。
冒頭に社長より、
明治20年6月の創業以来、幾多の試練、困難を乗り越え、
本日、ここに創業132周年を迎えることができましたことに対し、皆さんと共に先人先輩の努力と苦労を偲び、
感謝し、大いに喜びを分かち合うと共に、日々の皆さんの努力と協力に対して心より御礼申し上げます。
本日の創業記念式の意義をしっかり噛みしめ、この式典の日を境とし今日から新しい第一歩を積み重ねるよう、
恩人や先人先輩の方々に心から感謝報恩の誠を捧げ、創業の原点に戻り、基本に忠実となり、
自己の品性完成、人格の向上に社員一同、努力精進し、社業発展に努めさせていただきます。
と挨拶がありました。
このあと、社業発展に寄与された従業員の方々へその功労を讃え、今年は9名の方々に社長賞、優良従業員賞、
一隅賞と各々に表彰され金一封が授与されました。
引き続いて、記念講演として臨済宗妙心寺派 正眼寺 山川宗玄老大師猊下
(現在、毎月第3日曜日 NHK:Eテレ、こころの時代~宗教・人生~シリーズ「禅の知恵に学ぶ」にもご出演)から
元号「令和」に因んだお話を拝聴しました。改めて、新しい時代「令和」を迎えての新風のなか
「現成受用(げんじょうじゅよう:この世に起こることは、神・仏によるものでありすべて受け入れること)」で
地に足をつけ自ら為すべきことに最善を尽くし努力することをお誓いさせて頂きました。
講演後、創業家ならびに今日の長谷虎紡績をつくり上げ、伝統を祖述し亡くなられた先人先輩への感謝報恩の
誠を捧げて法要が執り行われました。
こうして、創業132年を迎えることができましたこと応援くださる皆様をはじめ、神・伝統に感謝申し上げます。
今後ともより一層、皆様に信頼され、地域社会に貢献する企業をめざして、社員一同が社業に励む所存であります。
そして、さらなる躍進をめざし環境にやさしく、お客様に安心と喜びと満足をしていただける商品はもちろん、
どなたからも“ワクワク”“ドキドキ”と楽しみにしてもらえるような新商品の開発に邁進していきます。
何卒、引き続いてのご愛顧のほどよろしくお願い致します。
総務部
UTMF(ウルトラトレイル・マウントフジ)は2012年から始まった、山梨県・静香県をまたいで開催される
トレイルランニングのウルトラマラソンレースです。
総距離は約100マイル(160㎞)、累積標高差は約8,000m。
今年も世界中から2,000名ものランナーが富士山の麓に集いました。
レース初日は雨が降り、終盤には一部降雪もあり非常に厳しいレースとなりました。
私たち長谷虎グループもこのレースをサポートさせて頂いております。
レースのスタートとゴール地点には、私たちグループのオリジナル素材である「光電子®」ブースを出展し
インスタをフォローして頂いた方に、「光電子®」オリジナルグッズを配布させて頂きました。
ここで、私たちのユニークな素材「光電子®」について少し紹介をさせて頂きます。
「光電子®」は、体温域で効率よく遠赤外線をふく射する保温繊維です。
高純度微粒子セラミックスを、独自の技術により均一に繊維の中に練り込む事により
大きな表面積を持ち遠赤外線の吸収・ふく射作用を高めている、他社には無い非常にユニークな素材です。
リラクセーション効果・疲労の軽減、回復・快適な睡眠といった効果も確認されております。
私たちは、人々の美と健康に貢献したいという思いのもと、こうしたユニークな機能素材を展開しております。
「光電子®」については、インスタ(@kodenshi_jp)でも情報を発信していますので
ぜひフォローして頂ければと思います。
https://www.instagram.com/kodenshi_jp/
社長室 長谷享治