テキスタイルの動向
1月30日〜2月1日までアメリカ デンバーにて開催された
世界最大級のアウトドア展示会「アウトドアリテーラーショー2019ウインターマーケット」の視察に行ってきました。
飛行途中、機内からアラスカ上空で偶然オーロラを見ることができたので、
出張初日からラッキーと思いきや、シカゴの悪天候(-29℃)による
飛行機の遅れや、途中、デモイン空港を経由するなどで、
日本を出発してから24時間後に無事デンバーに到着しました。
時差があるので、結構フラフラです。(決して、お酒のせいではございません。)
(写真:デンバー市内)
さて、本題のアウトドアリテーラーショーについてですが、
この展示会 以前は、ユタ州のソルトレイクで行われていました。
ですが、2018年度から開催地をコロラド州デンバーに変更となりました。
その理由は、前オバマ政権時に国定記念物として自然保護地域に指定された
ユタ州南部の「ベアーズ・イヤーズ」について、
ユタ州知事とトランプ政権が指定を覆そうとしていることに対して、
アウトドア・インダストリー協会が反発した背景にあります。
ちなみにデンバーは、ロッキー山脈の東側にある町で標高が1600mにあり
Mile High City(標高1マイルの町)と呼ばれています。
標高の高さに少し、息が上がります。運動不足のせいかも・・・。
展示会場では、いつもの青い巨大な熊が展示会場に入りたそうにのぞき込んでおり
お尻をむけて、お出迎えしてくれました。
アウトドアの展示会自体は撮影禁止なので載せることはできませんが
各ブースともに、非常に活気にあふれていました。
各有名ブランドをはじめ、ベンチャー企業や、スキンケアメーカーなどが数多く出展されておりました。
夕方には、各ブースで お酒を呑みながら、楽しそうに商談をしているところがアメリカっぽいですね。
(写真:夜のデンバー市内)
全体的な感想としては、日本でも最近話題となっているエコを取り上げているところが多く
サスティナビリティー(持続可能)な商品づくりがキーワードとなっていました。
マイクロプラスチック問題や大気汚染など地球環境問題が取り上げられており
今回の出張中のシカゴの大寒波という異常気象も地球が悲鳴をあげているのかもしれませんね。
当社としては、引き続き、テーマ『地球の為に出来る事』と環境配慮型素材の開発をキーワードとして
これから、生まれてくる子供たちが住みやすい地球環境であり続けられるような
商品づくりを目指していきたいと思います。
テキスタイル・アパレル部 河野 貴俊
本年も大変お世話になり誠にありがとうございました。
年内最後のブログは、これからの私たちのモノづくりを考えることをテーマにさせて頂きました。
最近になり、マスコミ各社がテレビや新聞で地球環境に関する記事がとても多くなってきました。
今年も世界各地で異常気象によるいろいろな災害があり、日本でも
今年は地震や台風・集中豪雨による土砂崩れなど災害が多い年となりました。
地球温暖化が一つの原因と言われていますが、今後は地球環境について
見直さなければならないとしみじみ感じました。
また、今年の漢字は「災」なったのもうなずけます。
近年は以前からアメリカが指摘していた海洋に漂流するプラスチックゴミが問題提起されています。
皆さんは上記の写真を見てどう思われるでしょうか?
目にされた方もおみえになると思いますが、海外では川が
ゴミ捨て場になっているところがあるのです。
このゴミは、だれも掃除することなくゆっくりと海へと流れていくのです。
日本の川もゴミが無いわけではありませんが、すごい量ですよね。
ほとんどが、ペットボトルやレジ袋などのプラスチック製品やPP製品です。
このゴミはやがてどうなるのでしょうか。
これは、日本沿岸にも漂流して大きな物がたどり着きますが
中には長い月日を経て海上で波や紫外線により劣化して小さくなる5㎜以下の
小さな粒のマイクロプラスチックもあります。
この小さな粒を、魚がえさと間違え食べてしまいます。
その魚を水鳥や私たち人間が知らずに食べるのですから最近は大きな問題になっています。
先日、ニュースで日本近海の魚の内臓からもマイクロプラスチックが見つかったと報じていました。
また、香港の海鮮料理に使われている魚の60%からマイクロプラスチックが見つかったという記事も出ています。
これではちょっと魚が食べづらいですね。
すでに、ヨーロッパ各国ではプラスチックストローの廃止やレジ袋を
紙などに置き換える動きが活発になっています。
私ども繊維業界においても、地球環境についてはメーカーをはじめ
リサイクルやリユースの話題は以前よりありましたが
ここにきて合成繊維の是非を問われ始めたのも事実です。
特にアウトドアメーカーは自然の中で使われる商品なので、より切実な問題でもあります。
つい5年ほど前までは、エベレスト山に挑む登山家がベースキャンプや
登山中に捨てる飲食物のパッケージゴミが環境破壊をしているとして問題になりました。
また、日本でも富士山への登山者が捨てていくゴミや、排泄物についても問題になっていました。
私達にとって合成繊維は今や暮らしの中では欠かせない素材となっています。
家庭の周りを見ても、インテリア用品や寝装用品、衣料など
天然繊維100%のものが非常に少なくなってきました。
自宅の屋内を掃除するとよく解るのですが、掃除機のフィルターには細かな合成繊維の屑が多いはずです。
洗濯機のごみネットの中や、エアコンなどのフィルターも合成繊維の屑がいっぱいです。
外出時にも衣料から少しづつホコリとなって落ちているでしょう。
最近はアウトドアをはじめ衣料に使われる素材についても見直されつつあります。
肌着、フリースや毛布など特に起毛してある合成繊維素材が脱落し易いと問題になっています。
ここにきて、天然繊維(綿花・羊毛・麻・絹)を見直す動きがあるのも事実です。
中でもやはり綿花のサスティナブル(環境や社会にやさしく持続可能)
トレーサビリティ(栽培から流通に至る経緯が解る事)に注目が集まっています。
また、オーガニック綿やBCI綿もメーカーからの要望が増えてきています。
当社も様々な要望に応えるべく、綿花については自信を持って手配してメーカーに供給しています。
小職も親として、子供や孫の世代にも美しい地球を守っていく為にも
製造メーカーの立場でも地球環境について提案していきたいと思います。
そして、お客様にとってより良い商品づくりにこれからも邁進して参りたいと思います。
最後に、来年も更なる発展と飛躍に向けて誠心誠意、精進致しますので
今後とも長谷虎紡績株式会社をどうぞよろしくお願い申し上げます。
当社の年末年始の休業期間は下記の通りです。
[年末年始休業]
営業・工場 12月29日(土)~1月6日(日)
新年は営業、工場ともに1月7日(月)9:00より営業開始となります。
来年も相変わらぬご愛顧を頂けますようお願い申し上げます。
(紡績部門 業務課 小笠原正人)
世界最大級のアウトドア展示会「アウトドアリテーラー2018SUMMER」の視察に行って参りました。
なんと、出展数は約1,400ブランドの世界で最も大きなアウトドア総合展示会です。
好調を続ける米国経済。
実質成長率は4~6月前年比プラス4.1%、雇用の改善し
失業率は歴史的な低水準に低下しており
そんなアウトドアの本場アメリカ市場を調査。
何より新素材・新商品・新アイテム・各社の取り組みなど
アウトドア市場が今後どの様に変わっていくのか情報を収集し
当社がさらに飛躍すべく今後の商品開発に活かす事を
視察の目的としておりました。
今回の開催地はアメリカ コロラド州デンバー。
アメリカ中北部に位置し、コロラド州では最大都市。
デンバーの気候は1年を通じて乾燥しており、夏の日中は暑いが夜は涼しく
冬の日中は穏やかだが夜は冷え込みが厳しいというのが特徴で
気温の差が大きく四季がはっきりしていて、まるで日本の様なイメージでした。
春のハイキング、夏のキャンプ、そして
冬のスキーと四季折々自然と共に楽しめる場所でもあり
ちなみに昨年2017SUMMERの開催地はユタ州ソルトレイクシティーでした。
今夏から会場が変更になった理由の一つにトランプ政権と
ユタ州議会が国の記念碑である『ベアーズイヤーズ』の環境保護地域を
縮小した事にアウトドア業界が反発したから(アークテリクスやコロンビアが不参加)。
色々大人な事情もある様子でした。。。
さて展示会場では大きな青いクマがお出迎え。
会場は50万平方フィートもあり。
これだけではちょっと分かりにくい為
東京ドーム何個分か調べてみたところちょうど同じ1個分だそうです。
中の様子は残念ならが撮影が禁止となっておりまして
有名なザ・ノース・フェイスやパタゴニアはもちろんですが
今後世界に羽ばたいていくであろう新興ブランドの数々がところ狭しと並んでおりました。
又、各社の取り組みを見ておりますと
共通して環境負荷低減、3R、サスティナブル(持続可能)をキーワードとした
素材のアイテムが多数ありタオルやウォーターボトルなど
日常使いの商品も増えアウトドアの裾野の広がりを感じました。
もちろん、当社としても新しいイノベーション、新しい仕組みに取り組み挑戦し続ける事が大切です!
ここで少し余談ですが。
当部(テキスタイル・アパレル部)の歴史、成り立ちをご紹介させて頂きます。
当部は発足して約30年。会社の名前の通り紡績を生業にしていましたが、
糸販売だけではこれから生き残れない。
『糸から生地、製品迄』を合言葉に製品ビジネスをスタートさせました。
ベビー服からスタートし、機能性繊維との出会い、また今後伸びてくる分野という事で
アウトドアに特化した物作りに至ります。
たくさんのご縁を頂き約30年。振り返ると先人先輩、多くのお取引様、ユーザーの方々への感謝しかありません。
昨今、毎年の様に様々な自然災害が発生し世間を賑わせており
地震、豪雨、そして猛暑。地球環境が大きく変わって来ております。
これは何か地球からのメッセージなのではないか、と思う時もしばしば。。。
マイクロプラスティック問題はじめ地球環境問題はこれから益々無視できない問題となって来ています。
最近、YouTubeでカメの鼻にプラスティック製のストローが刺さっている動画が流されました。
これを機にして、日本でも飲食店や有名ホテルが一斉に使用を取りやめる動きが出てきております。
今回の展示会でもリサイクル素材で『エコ』を謳った商品が多数展示され
アウトドアの基本である『自然と共に楽しむ』我々アウトドア製品を作っているメーカーとして
環境不可の少ない素材開発含めて課せられた使命は大きいと感じます。
『地球の為に出来る事』大きなテーマを考えさせられたデンバー出張でした。
テキスタイル・アパレル部 長谷憲治
6月11日、降り立ったシカゴは、霧の中。
そして霧の中から顔を出すビル郡は、グレーの色合いに染まり
幻想的な雰囲気に包まれておりました。
毎年6月にシカゴで開催されているネオコンは、
今年記念すべき50回目の開催となりました。
会場の中に入ると、外の霧模様とはガラッと変わり
エスカレーターをのぼる途中、頭上に虹が現れました。
それは、レインボーカラーの糸を張りめぐらせた、見事なグラデーションの「糸の虹」。
色彩豊かに、華やかな空間へと来場者を出迎えております。
各ブースに入る時にはスタッフによる簡単なチケットのチェックがあり、
「ハーイ、元気?」と笑顔で気さくに声を掛けてもらい
こちらもGoodやFineなど簡単な言葉であいさつを。
小さなコミュニケーションですが、自然と顔がほころびます。
昨年に引き続き、自然と調和するデザインが多く見受けられ、
オフィス家具などにも木などを中心とした自然素材、
フェルトや布のような肌触りも見た目も暖かみのある素材が使用され、
リラックスできる空間が作られておりました。
どの企業も新作が目白押しで、個性溢れる商品が数多くあり、
衣服を身にまとうように、カーペットもファッションの一部に
なったような印象を得ました。
用途に合わせて、クールでかっこいい、明るく華やかに、
優しくぬくもりを感じる、何かが始まりそうなワクワクする雰囲気、
静寂のある落ち着いた印象などなど、物語を感じます。
さて、話が少し変わりますが
6月頃のシカゴは日の入りは、おおよそ20時30分近となっており
日本の夕方とは違い明るい太陽が昇っています。
そんな中で、仕事終わりにミシガン湖付近を散歩していました。
すると18時30分すぎに、ミレニアムパーク(公園)のジェイ・ピュリツァー・パビリオンに
ぞくぞくと人々が集まり、こんな平日に何があるのだろう??と後を追ってみると
オーケストラの音色が耳に入ってくるではありませんか。
後から調べた所によりますと、
シカゴでは毎年6月から8月にかけてクラッシックやジャズなどを
中心としたグランパーク音楽祭がこの場所で開催され
市民の憩いのひと時になっているとのことでした。
(しかも無料です。一部のみ有料席有り)
開放的な野外会場ではクラシック音楽が響き、
会場後方の芝生広場では人々が思い思いに過ごす姿がありました。
恋人同士で肩を寄せ合い話をしていたり、家族や友達、仲間でピクニックをする人たち、
ふらっと一人でやってきて静かに音楽に耳を傾ける人。
およそ1時間30分ほどのコンサートでした。
音楽や美術が身近にあることが、羨ましくもあり、
とても豊かな事なんだなとふと感じてみたり、
そんな日常に触れられたことで、おおらかな気持ちになりました。
そしてきっと、物作りにもこんな日常が反映されているのだなと感じた瞬間でした。
こうした経験を持ち帰り、
新たなアイデアやデザインを作り出していきたいと思っております。
Domotex Asia 2018が
3月20日~22日の日程にて開催され視察の為中国上海に行って参りました。
今年で20回目となる展覧会では
40カ国から約1500ものエキシビジョンが参加されおり
数々の新しいデザイン、新しい素材が発表され
多くの来場者が訪れる会場は、
益々勢いの増す中国市場の熱気が高まっておりました。
全体のデザインは世界トレンドに沿ったものが多く感じられましたが
その中でも中国独自のオリエンタルな風合いや色彩、
歴史を感じるモチーフなどが見られ、その国の文化や風土を知ることができました。
縁起の良いモチーフとして「蝶」のデザインが多く見られ
蝶は中国語で“ディエ”といい、耋(としより)と同じ発音から「長寿」をイメージさせるため、
縁起物としてよく使われているとのことです。
また展示ではインクジェットプリントが非常に多くのブースにて展示されており、
アジア市場での勢いを肌身で感じることができました。
それらはピース品がほとんどで、
絵画のように額装して展示してあるものもあり、高級な印象を得るものでした。
その中でもリアルな表現が目に留まり、宇宙・動物・植物などをプリントしており、
数メートル離れると写真かのように思えるほどのリアルな表現の物はありました。
カラフルで緻密な表現も多く展示されており、
「見て、触れて」楽しむという展示形式で来場者を楽しませておりました。
これからも技術やデザインを学び続け
より良い商品をご提供できるよう取り組んで参ります。
今後とも長谷虎紡績株式会社を
どうぞよろしくお願いします。