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当社の紡績工場(以下、本社工場)では、衣料用から産業資材用まで
さまざまなタイプの糸を作っております。
そこで使用する綿花は、シーリーさんという、長年にわたり綿作に
並々ならぬ情熱を持ち続ける方の畑で、丹精込めて育てられた綿を使っています。
 
シーリーさんの所有する綿花畑の広さは、なんと
羽島市の2倍の面積、約10万㎡もあるのです。
写真の様に見渡す限りシーリーさんの土地なのです。
もちろん、お客様の希望があればさまざまな綿花を手配しています。
 
シーリーさんの高品質な綿を使い始めて、はや20年になります。
それには理由があります。
日本で例えるなら「お米」が解りやすいでしょうか。
よく、同じコシヒカリでも「魚沼産のコシヒカリ」がおいしいと言われます。
ですが、その裏にはその地域に合った品種改良がなされ、
土壌管理や水、肥料などを適切にやっているからです。
 

実は、私も農家なのでよく解ります。会社勤めをしながら稲作をすると、
休日しか作業が出来ない為に稲作がおろそかになってしまいます。
ましてや雨に降られたら翌週に延びてしまいます。
それでは、おいしい米が出来るわけありません。
こうして米作りの上手い人、下手な人の差が出るのです。
綿花も同じで、綿作に情熱をもってやっている人とは品質面で差が出ます。
つまり私たちは綿作が上手い人から高品質な綿花を買っているのです。
まさに契約農場みたいなものです。
 
シーリーさんとの最初の出会いは、今から20年以上も前のことになります。
年1回行われる綿花の国際的な会議(国際綿花諮問委員会)に出席した時に、
わざわざ日本の紡績会社が宿泊するホテルに訪ねて来られ、
その時に面談したのが弊社の綿花担当でした。
 
シーリーさんは「是非、日本の紡績会社に自分の畑の綿花を使ってほしい」と
お願いに来られました。担当者はシーリーさんの綿作における情熱に心を動かされ
「日本の紡績が希望する綿花について」、10年もの間、現地の綿花畑まで出向き
収穫場所毎のロット区分や綿のクリーニングの仕方を指導しました。
収穫が終わるとシーリーさんに来日頂き、実際に本社工場を見学され、
真心のこもった商品を見られ感動されました。
この様な親密な関係を築く事が出来、今日に至ります。 
 
このような関係を築けた紡績会社は世界各国探しても他には無いと自負しています。
今では「HASE-1」とお伝えすれば、弊社の希望する綿花のグレード
(繊度、繊維長、強度、色)を供給して頂ける間柄となっています。
近年は地球の気候変動で、世界各地の綿作地で水不足に悩まされる年があります。
シーリーさんの畑も例外ではありません。収穫量が十分の一以下になった年もあり、
その様な時にも弊社向けに綿を確保して頂いた経緯があります。
前担当者はよく「コットンファミリー」という言葉を使われておりましたが、
まさにその通りです。
 

 

「2008年 前担当者とシーリーさんら関係者」

 
ただ単に綿花を買うのではなく、お互いを理解し良い人間関係を
築く事の大切さを感じました。
このご縁を私どもは大切にして、今後も良好な関係を継続してまいります。
 
そして、お客様にとってより良い商品づくりに、これからも
邁進して参りたいと思います。
 
(紡績部門 業務課 小笠原正人)

 
6月1日は当社の創業記念日です。
明治20年(1887年)に創業し、今年で131年目を迎えます。
 
こうして今日があるのも多くのお客様、お取引先の皆様、諸先輩方をはじめ
社員とその背後にあって支えて下さっているご家族の皆様のお陰です。
心より感謝御礼を申し上げます。
 
明治20年、初代長谷虎吉は地元との共存共栄を願い、当時なんの産業も無かった
地元に産業を興しました。
雇用創出することで、地域の発展とそこで暮らす人々の幸せ、そして、国家の繁栄を
願い続けました。その思いは、初代から今なお代々受け継がれています。
 
現在の礎を築いた、3代目の虎治にも、代々続くそうした強い思いがありました。
 

 
そして、3代目が特に力を入れたのは、社員教育です。
事業は人なり。
より良い仕事でより良い品物を作るには、それに携わる者の品性が高く無ければならない。
 
その思いの裏には、本人の若い時の苦難が大きく影響しています。
昭和初期、世界を襲った大恐慌は、当社にも例外なく影響しました。
生糸の相場は暴落し、その当時で100万円(現在の価値に換算すると10億円)の借金が残ったのでした。
 
当時、まだ10代だった虎治は、その光景を目の当たりにし、藁をもすがる思いで、
事業のことをある方に相談します。
その内容を聞いた廣池千九郎博士(モラロジー創建者、法学博士)の高弟、香川景三郎氏は
10代の青年にこう語りかけます。
 
「あなたは運命が悪い。もし運命が良ければ天下の財閥に生まれ、この様な借金に苦しむことも
なかったでしょう。だが、現在の運命の原因をいくら考えても仕方ない。
これからのあなたの運命を、あなた自身で良くしていけばよいのです。
そのためには、あなたの心づかいと行いによって、運命が変わってくるのですよ」
 
 その言葉に強い衝撃を受けた青年に、さらにこう続けます。
 
「運命をよくするには、真の親孝行をしなさい。真の親孝行とは、心から親に安心、満足、
喜びを与えることです。親に仕えるのが天地の道であり、その親と子の道に絶対に服従しなければ
ならないのです。そして、親に安心を与えるには、尊敬し、兄弟が仲良くしなければなりませんよ」
 
 その当時に虎治が認めた八訓が今でも残されています。
この17才の青年が書いた文字から、その時の強い決意や思いがひしひしと伝わってきます。
 

 
【八訓】
一、 忠孝
一、 正義
一、 勤勉努力
一、 生明日
一、 動世界
一、 常困難
一、 不相手人 為相手天
一、 商英雄
 
昭和五年四月十九日 之書実行 長谷虎治(十七才)
 
 
伝統と革新。そして、不変と可変。
 
創業から131年が経ちましたが、一貫して変わらなかったことは、創業者の理念と繊維に
携わってきたということです。私たちは繊維しか知りません。
だからこそ、繊維の可能性と魅力を誰よりも知っていると自負しています。
 
この長い歴史の中には、常に挑戦する姿勢がありました。
私たちもその挑戦する姿勢を失わず、新生ハセトラに向け邁進して参ります。
 
本日より、ホームページの内容もリニューアルさせて頂きました。
当社の事業の一翼を担う、紡績部門の内容を新たに加えました。
これから新しい取り組みなどにつきましても、随時アップして参ります。
引き続き楽しみにして頂ければ幸いです。
 
今後とも長谷虎紡績株式会社を何卒よろしくお願いいたします。

Domotex Asia 2018が
3月20日~22日の日程にて開催され視察の為中国上海に行って参りました。
 
今年で20回目となる展覧会では
40カ国から約1500ものエキシビジョンが参加されおり
数々の新しいデザイン、新しい素材が発表され
多くの来場者が訪れる会場は、
益々勢いの増す中国市場の熱気が高まっておりました。
 

 
全体のデザインは世界トレンドに沿ったものが多く感じられましたが
その中でも中国独自のオリエンタルな風合いや色彩、
歴史を感じるモチーフなどが見られ、その国の文化や風土を知ることができました。
 

 
縁起の良いモチーフとして「蝶」のデザインが多く見られ
蝶は中国語で“ディエ”といい、耋(としより)と同じ発音から「長寿」をイメージさせるため、
縁起物としてよく使われているとのことです。
 
また展示ではインクジェットプリントが非常に多くのブースにて展示されており、
アジア市場での勢いを肌身で感じることができました。
それらはピース品がほとんどで、
絵画のように額装して展示してあるものもあり、高級な印象を得るものでした。
 

 
その中でもリアルな表現が目に留まり、宇宙・動物・植物などをプリントしており、
数メートル離れると写真かのように思えるほどのリアルな表現の物はありました。
カラフルで緻密な表現も多く展示されており、
「見て、触れて」楽しむという展示形式で来場者を楽しませておりました。
 

 
これからも技術やデザインを学び続け
より良い商品をご提供できるよう取り組んで参ります。
 
今後とも長谷虎紡績株式会社を
どうぞよろしくお願いします。

 
ゴールデンウィークも終わり、風薫る新緑の季節となりました。
さて、先月のことになりますが、4月2日、入社式が執り行われました。
今年は10名の新しいメンバーが、当社の一員に加わってくれました。
 
当日は素晴らしいお天気にも恵まれ、新入社員10名の爽やかでフレッシュな
雰囲気と相まって、本当に清々しい穏やかな一日となりました。
 
また、入社式の前後には様々な研修を開催させて頂きました。
ものづくりの基本となる、安全や品質について、基本的な社会人としてのマナー、
そして道徳と品性の大切さなど、その内容は多岐にわたるものでした。
 
新入社員10名も真剣な眼差しで、メモを取る姿にこちらも共感し、
これからの明るい未来を確信しました。
 

 
4月30日には、新入社員歓迎会を開催させて頂きました。
当日は羽島市内のグランドをお借りして、社内紅白ソフトボール大会を開催し、
皆で和気あいあいと汗を流しました。
 
ソフトボール未経験者もバッターボックスに立ち、皆で楽しく交流させて頂きました。
その後、場所を移し皆で歓迎昼食会を行いました。食べ放題メニューを選びましたが、
さすが10代の食欲はすごい!
見ているだけでお腹一杯に。若いパワーを頂きました。
 

 
4月21日には、当社のOB会である「桔梗会」が執り行われました。
今年でこの桔梗会も55回目を数え、今年は25名のOBの皆様にお集まり頂きました。
 

 
当日は、本社講堂にお集まり頂き、総会や記念法要、福安寺住職様のご法話、
そして会食を和やかに開催させて頂きました。
会食中は各テーブルで昔話しに花が咲き、皆様の笑顔と笑い声に溢れ、
会場内は華やかにそして若葉が光り輝くかのような雰囲気に包まれ、無事閉会させて頂きました。
 
こうして今があるのは、多くの先人先輩方のお陰です。
この桔梗会を通して、改めて当社に息づく長い歴史と伝統を感じました。
そして、今年新しくご縁を頂き、入社してくれた10名の新入社員の姿を通して、
この歴史と伝統をこれからもしっかりと繋げて行かなければと強く感じました。
 
当社も6月1日には131年目を迎えます。
新生ハセトラに向け、これから新しい挑戦をしていきます。
 
そして、当社の創業記念日である6月1日より、ホームページもリニューアル致します。
新しくなったホームページを楽しみに、また引き続きご覧頂ければ幸いです。

弊社の紡績事業部のテキスタイル・アパレル部門において3月2日(金)繊研新聞の一面に
新しい取り組みとその開発秘話が掲載されました。
繊研新聞は、業界紙ではありますが、
繊維業界ではとても多くの方に購読されております。
 
クライアント様のゴールドウィン
『ザ・ノース・フェイス』2018-19秋冬コレクションにおいて
高い保湿性を備え、水濡れに強いダウンを使った
『サンダージャケット』が発表されました。
 
記事中のスキーヤーで冒険家の三浦雄一郎さんからも
『温泉に入ったような暖かさ』と評価を頂いている混率は
ダウン60%(そのうちフェザー6%)ポリエステル40%で従来より合繊の比率が
高いハイブリッドダウンです。
 
その素材開発は従来の商品よりも、より社会にとって良いこと
より人びとにとって良いことを追求し、
諦めることなく不可能に挑戦したからこそ実現しました。
 
もちろん、この開発が実現したのは当社だけの力ではなく
共にものづくりを行うパートナー様が居てこそ。
まさに、素材だけでなく、業種間・職種間を超えたハイブリットと言えます。
 
今後も常に新しいことに挑戦する姿勢を失わず
より良いものづくりを愚直に追求して参りますので
引き続きご愛好の程よろしくお願い申し上げます。

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