<リニューアル前> <リニューアル後>
前編では、カーペットが学習効果にどのような影響を与えるかについて
ご紹介させて頂きました。
後編では、実際に私たちが施工した教育施設をご紹介させて頂きます。
少し前になりますが、私たちの地元、岐阜県羽島市にある
羽島幼稚園様の講堂のリニューアルをお手伝いさせて頂きました。
同幼稚園の高砂園長先生は、かねてより幼児教育における
色彩の重要性を感じておられ講堂をリニューアルする際に
「子供たちが元気に、楽しく遊べるカラフルな空間にしたい」というご要望を頂きました。
これまでにない、とてもカラフルな空間で、沢山のお子様が元気に走り回り
楽しく豊かに遊んで頂きたいという思いを込め、何度もデザインの打合せを重ね
無事にリニューアルさせて頂きました。
色彩を多く取り入れることで、実際に空間が明るく色彩豊かになりました。
そして、同時に温もりある柔らかな空間に生まれ変わりました。
リニューアル後、髙砂園長先生からは
「子供たちが今まで以上に元気に楽しく遊びまわっていますよ」との
嬉しいお言葉も頂戴しております。
また、「子供たちがカーペットの色で、色遊びをしているよ
(自分たちでルールを作り、例えば赤と青だけ選んで移動する)」といったコメントも頂きました。
元気に走り回って、転んでもカーペットですのでケガも軽減できます。
また、先ほどの色遊びというのは、実は幼児教育では非常に大切なことです。
まず、色彩を認識する力が養われます。そして、自分たちでルールを作り
遊びを創造するということは、そのお子様の学習能力を
高める最も大きな効果を持つと言えます。
そして、このリニューアル後の画像を見られたお子様や保護者の方より
ぜひこんな幼稚園に行ってみたい、との嬉しい言葉を頂いております。
色彩の効果は、何もお子様の教育現場だけに限ったことではありません。
先日、東京南青山にある、(株)コミュニカ様のオフィス兼教室の
リニューアルをお手伝いさせて頂きました。
東京という大都市の中で、そこに集う方が癒され、そして充実した時間を過ごして
頂けるようにとの願いを込め、グリーンを基調としたデザイン提案をさせて頂きました。
<決定柄落とし込みCG>
オフィス兼教室のカーペットにグリーンというと、少し疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかしグリーンは自然を感じさせる色として、近年、オフィスや商業施設など
閉鎖的になりがち空間に積極的に採用されています。
ただ単純なグリーンではなく、色味の違うグリーンを複雑に混ざり合わせ
絶妙な配色を作り出すことで、重くなり過ぎず、そして見た目にも鮮やかで優しい色彩にしました。
(株)コミュニカ代表の山元様も、このデザインを真っ先に気に入って頂きました。
また、リニューアル後には、「室内の音響に大きな効果があり、より集中して
学べる空間になった」との嬉しいコメントも頂いております。
<リニューアル前> <リニューアル後>
人生は、色の数だけ豊かになるのかもしれません。
小さい頃から、沢山の色に囲まれ、色彩感覚豊かに育つことによって
その後の人生も必ず明るく豊かになるのだと、私たちは信じております。
そして、これからもそこに集う人たちのお幸せを願い、
世界中の空間づくりのお手伝いをさせて頂きたいと思っております。
教育現場など、空間づくりで何かご検討中の方がいらっしゃいましたら
ぜひ弊社までご連絡ください。
デザイナー 片桐恵理
皆さんは普段どんな空間で過ごしていますか?
自宅のリビングや寝室、そしてオフィスなど仕事先はどんな空間でしょうか。
今回は空間を彩る内装の持つ効果についてご紹介させて頂きます。
前編では、カーペットが学習効果にどのような影響を与えるかについて。
後編では、実際に施工した空間がどのように変化したのかを、実例を交えてご紹介させて頂きます。
私たちはお客様からのご要望を頂き、様々な空間作りのお手伝いをさせて頂いております。
特に多いのがホテルやオフィスなど大型の施設です。
また、教育施設の空間作りも時おりご注文を頂いております。
実は近年、カーペットと学習効果について、面白い調査結果が発表されています。
日本カーペット工業組合では、「カーペットで学力アップ!」をキャッチフレーズに、
カーペットによる学力向上効果のPRを強化しております。
「カーペットと学習効果」
はじめてお聞きする方にとっては、あまりピンと来ないかもしれません。
少しその内容をご紹介させて頂きます。
(以下、カーペット工業組合の記事を一部参照。http://www.carpet.or.jp/publics/index/72)
カーペット工業組合では、2011年から13年の期間、全国の学習塾など
教育施設関係者を対象に「カーペットと学習環境」のアンケートを実施しました。
その結果、「カーペットが良質な学習環境の形成に影響するか?」との問いに
約7割が「良い影響がある」と回答しております。
具体的には、「カーペットを敷くことで室内が静かに保たれ、
それにより集中力を高められる」という回答が多くをあげられています。
また、三重大学大学院と共同で、カーペットとフローリングのリラックス度を検証した結果
「カーペットは人にリラックスを与える」ことを実証する検証結果を2015年11月に発表されております。
このように、カーペットが人に与える影響は決して小さくありません。
後編では、実際に私たちが携わった空間をご紹介させて頂きます。
(社長室 長谷享治)
今回ご紹介させて頂くのは
お客様から注文を受けてから実際にカーペットが施工されるまでの流れです。
弊社では、お客様からのご要望に対して、丁寧にデザインの提案から施工まで
責任を持って管理させて頂いております。
今回ご注文を頂いたのは、東京の南青山にオフィスを構える(株)コミュニカ様です。
(https://communica.co.jp/)
ご注文を頂いた物件は、広さとしては100㎡程度で、オフィス兼教室として使用されています。
弊社では、お客様のご要望に応えることと同時に、より良い空間デザインの提案を目指し
営業と開発チームが一丸となり、様々なデザイン提案をさせて頂いております。
当初、落ち着いたブラウン系でオーダーを頂いておりましたが
この場所が教室として、全国各地から多くの方が学びに来ることや
東京の南青山という大都市の中で、ここに集う方がより心地よく
リフレッシュして頂ける空間を意識し、幾つかデザイン提案をさせて頂きました。
こちらがデザイン案のシミュレーションです。
左がブラウン系でオーダーいただいたもの、右がデザイン提案させていただいたものです。
そして、当初のご要望だったブラウン系と、新しくご提案させて頂いた
グリーン系をプレゼンさせて頂いた結果は…?
即決でした!コミュニカの代表を務める山元様から
このグリーンで行きましょうと、嬉いお言葉を頂きました。
デザインが決定した後、試作を行っていきます。
これから試作から生産までの一連の流れを紹介していきたいと思います。
まず、使う糸をセットしていきます。セットされている糸の数だけ
カーペットを織るための針があります。
機械によってその本数は異なりますが、多いもので約2,700本にものぼります。
試作をはじめていきます。少し織って柄の確認をしました。
今回は2柄試作しています。同じ糸を使用しているのですが雰囲気が全く変わります。
濃いグリーンの柄(写真1右側)はストライプ柄のように見え
薄いグリーンの柄(写真1左側)はブロック調に見えます。
どちらの柄のほうが良いか開発チームだけでなく工場の人にも意見を聞き
ストライプ調の柄で再度柄の出し方を調整し、カーペットの顔を決めていく事にしました。
写真1 _____________________ 写真2
カーペットの重さやパイルの長さを確認し、いよいよ織りはじめていきます。
このあとタイル加工を経てカーペットが出来上がります。
以上がカーペットが作られるまでの流れになります。より良い商品を作り上げる為に考え取り組み
お客様のご要望にそえるよう何度も試作を繰り返しております。
こうして出来上がった試作品をお客様に確認していただき、ご納得いただいた上で生産に移ります。
出来上がったカーペットがお客様の元へ届き、いよいよ施工が始まります。
もともとはフローリングだった教室がカーペットに生まれ変わり
全く違った雰囲気へと大変身いたしました!
施工後、お客様からは嬉しい反応を頂いております。
「最高のお仕事に感謝!です。教室の雰囲気だけでなく
音に対しても大きな変化がみられます。感謝」(山元様Facebookより)
これからもお客様にとってより良い商品をご提供できるよう取り組んで参ります。
デザイナー 左路実有里
世界最大級のアウトドア展示会「アウトドアリテーラー2018SUMMER」の視察に行って参りました。
なんと、出展数は約1,400ブランドの世界で最も大きなアウトドア総合展示会です。
好調を続ける米国経済。
実質成長率は4~6月前年比プラス4.1%、雇用の改善し
失業率は歴史的な低水準に低下しており
そんなアウトドアの本場アメリカ市場を調査。
何より新素材・新商品・新アイテム・各社の取り組みなど
アウトドア市場が今後どの様に変わっていくのか情報を収集し
当社がさらに飛躍すべく今後の商品開発に活かす事を
視察の目的としておりました。
今回の開催地はアメリカ コロラド州デンバー。
アメリカ中北部に位置し、コロラド州では最大都市。
デンバーの気候は1年を通じて乾燥しており、夏の日中は暑いが夜は涼しく
冬の日中は穏やかだが夜は冷え込みが厳しいというのが特徴で
気温の差が大きく四季がはっきりしていて、まるで日本の様なイメージでした。
春のハイキング、夏のキャンプ、そして
冬のスキーと四季折々自然と共に楽しめる場所でもあり
ちなみに昨年2017SUMMERの開催地はユタ州ソルトレイクシティーでした。
今夏から会場が変更になった理由の一つにトランプ政権と
ユタ州議会が国の記念碑である『ベアーズイヤーズ』の環境保護地域を
縮小した事にアウトドア業界が反発したから(アークテリクスやコロンビアが不参加)。
色々大人な事情もある様子でした。。。
さて展示会場では大きな青いクマがお出迎え。
会場は50万平方フィートもあり。
これだけではちょっと分かりにくい為
東京ドーム何個分か調べてみたところちょうど同じ1個分だそうです。
中の様子は残念ならが撮影が禁止となっておりまして
有名なザ・ノース・フェイスやパタゴニアはもちろんですが
今後世界に羽ばたいていくであろう新興ブランドの数々がところ狭しと並んでおりました。
又、各社の取り組みを見ておりますと
共通して環境負荷低減、3R、サスティナブル(持続可能)をキーワードとした
素材のアイテムが多数ありタオルやウォーターボトルなど
日常使いの商品も増えアウトドアの裾野の広がりを感じました。
もちろん、当社としても新しいイノベーション、新しい仕組みに取り組み挑戦し続ける事が大切です!
ここで少し余談ですが。
当部(テキスタイル・アパレル部)の歴史、成り立ちをご紹介させて頂きます。
当部は発足して約30年。会社の名前の通り紡績を生業にしていましたが、
糸販売だけではこれから生き残れない。
『糸から生地、製品迄』を合言葉に製品ビジネスをスタートさせました。
ベビー服からスタートし、機能性繊維との出会い、また今後伸びてくる分野という事で
アウトドアに特化した物作りに至ります。
たくさんのご縁を頂き約30年。振り返ると先人先輩、多くのお取引様、ユーザーの方々への感謝しかありません。
昨今、毎年の様に様々な自然災害が発生し世間を賑わせており
地震、豪雨、そして猛暑。地球環境が大きく変わって来ております。
これは何か地球からのメッセージなのではないか、と思う時もしばしば。。。
マイクロプラスティック問題はじめ地球環境問題はこれから益々無視できない問題となって来ています。
最近、YouTubeでカメの鼻にプラスティック製のストローが刺さっている動画が流されました。
これを機にして、日本でも飲食店や有名ホテルが一斉に使用を取りやめる動きが出てきております。
今回の展示会でもリサイクル素材で『エコ』を謳った商品が多数展示され
アウトドアの基本である『自然と共に楽しむ』我々アウトドア製品を作っているメーカーとして
環境不可の少ない素材開発含めて課せられた使命は大きいと感じます。
『地球の為に出来る事』大きなテーマを考えさせられたデンバー出張でした。
テキスタイル・アパレル部 長谷憲治
<2018年6月27日、繊研新聞 差別化の原点より>
先日、繊研新聞に弊社の取り組みなどを取り上げて頂きました。
この記事は、繊研新聞の中堅紡績企業を特集した記事で、弊社のこれまでの取り組みや
現在、力を入れ取り組んでいる内容が記事として掲載されました。
日本の紡績は、ピーク時から比較すると現在の設備規模は、30分の1程度にまで縮小しています。
ここ数年を見ても事業環境は益々厳しさを増しています。
一方で、世界に目を向けると、人口は増加の一途をたどり、それに比例して衣料用の繊維消費量は年々増加。
国内の紡績規模は年々減少して来ましたが、果たして世界の中で技術レベルは低いのでしょうか。
いえ、日本の紡績は、世界の中で決してレベルが低い訳ではありません。
これまで長年にわたり得た経験やそれに伴う技術の蓄積など、技術レベルだけで言えば、
世界でも決して引けをとるものではありません。
つまり、どんなに高い技術があっても、それが世の中のお客様にとって必要とされなければ意味がありません。
また、必要とされる技術があっても、それをしっかりと発信して知ってもらうための努力を
しなければならないと痛切に感じています。
今年の6月、弊社のホームページをリニューアルしたのも、
まさに私たちの持つ技術や特徴を多くの人に知って頂き、
これまでの私たちの経験を通して、より多くの人や社会にお役に立ちたいという思いからです。
そして、この技術や経験を次に繋げていくことの必要性も強く感じています。
その一環として今年から特に力を入れているのが若手の教育です。
今年、10名の新入社員が新しいメンバーに加わってくれました。
3月下旬の研修を終え、4月7日からそれぞれ営業や工場などに配属されました。
配属後も定期的に研修を企画し、実施させて頂いております。
5月30日、元アップルジャパンの社長で、現在は株式会社コミュニカを立上げ、
日本の若者を育て、日本を元気にしようと活動されている、山元賢治様をお招きして、
「若者の覚悟」と題し、特別研修を実施させて頂きました。
あの、スティーブ・ジョブス氏から直接ヘッドハンティングされ、
そしてiPhoneを日本にこれだけ広めた山元様のご経験や、言葉の重み一つ一つは、
10名の新入社員にとって何よりの「しげき」となりました。
来年以降もこの研修を継続的に行い、新入社員及び若手教育の柱として行きたいと思います。
7月20日には、トヨタ紡織様の「安全体感道場」を新入社員10名全員で受講させて頂きました。
7月は、1日から7日までは全国安全週間でした。
4月に配属された新入社員が、少しずつ作業にも慣れ始めた時期でもあり、
こうした時期が最も事故が多いとも言われています。
そこで、今年から新入社員にこの安全体感道場の受講をはじめました。
新入社員一人ひとりにとっても、この時期に安全について学べたことは、本当に貴重な経験となりました。
また、今回の経験を単なる学びで終わることなく、
日々の作業や職場の安全レベル向上に繋げて行きたいと思います。
(社長室 長谷享治)
6月11日、降り立ったシカゴは、霧の中。
そして霧の中から顔を出すビル郡は、グレーの色合いに染まり
幻想的な雰囲気に包まれておりました。
毎年6月にシカゴで開催されているネオコンは、
今年記念すべき50回目の開催となりました。
会場の中に入ると、外の霧模様とはガラッと変わり
エスカレーターをのぼる途中、頭上に虹が現れました。
それは、レインボーカラーの糸を張りめぐらせた、見事なグラデーションの「糸の虹」。
色彩豊かに、華やかな空間へと来場者を出迎えております。
各ブースに入る時にはスタッフによる簡単なチケットのチェックがあり、
「ハーイ、元気?」と笑顔で気さくに声を掛けてもらい
こちらもGoodやFineなど簡単な言葉であいさつを。
小さなコミュニケーションですが、自然と顔がほころびます。
昨年に引き続き、自然と調和するデザインが多く見受けられ、
オフィス家具などにも木などを中心とした自然素材、
フェルトや布のような肌触りも見た目も暖かみのある素材が使用され、
リラックスできる空間が作られておりました。
どの企業も新作が目白押しで、個性溢れる商品が数多くあり、
衣服を身にまとうように、カーペットもファッションの一部に
なったような印象を得ました。
用途に合わせて、クールでかっこいい、明るく華やかに、
優しくぬくもりを感じる、何かが始まりそうなワクワクする雰囲気、
静寂のある落ち着いた印象などなど、物語を感じます。
さて、話が少し変わりますが
6月頃のシカゴは日の入りは、おおよそ20時30分近となっており
日本の夕方とは違い明るい太陽が昇っています。
そんな中で、仕事終わりにミシガン湖付近を散歩していました。
すると18時30分すぎに、ミレニアムパーク(公園)のジェイ・ピュリツァー・パビリオンに
ぞくぞくと人々が集まり、こんな平日に何があるのだろう??と後を追ってみると
オーケストラの音色が耳に入ってくるではありませんか。
後から調べた所によりますと、
シカゴでは毎年6月から8月にかけてクラッシックやジャズなどを
中心としたグランパーク音楽祭がこの場所で開催され
市民の憩いのひと時になっているとのことでした。
(しかも無料です。一部のみ有料席有り)
開放的な野外会場ではクラシック音楽が響き、
会場後方の芝生広場では人々が思い思いに過ごす姿がありました。
恋人同士で肩を寄せ合い話をしていたり、家族や友達、仲間でピクニックをする人たち、
ふらっと一人でやってきて静かに音楽に耳を傾ける人。
およそ1時間30分ほどのコンサートでした。
音楽や美術が身近にあることが、羨ましくもあり、
とても豊かな事なんだなとふと感じてみたり、
そんな日常に触れられたことで、おおらかな気持ちになりました。
そしてきっと、物作りにもこんな日常が反映されているのだなと感じた瞬間でした。
こうした経験を持ち帰り、
新たなアイデアやデザインを作り出していきたいと思っております。
当社の紡績工場(以下、本社工場)では、衣料用から産業資材用まで
さまざまなタイプの糸を作っております。
そこで使用する綿花は、シーリーさんという、長年にわたり綿作に
並々ならぬ情熱を持ち続ける方の畑で、丹精込めて育てられた綿を使っています。
シーリーさんの所有する綿花畑の広さは、なんと
羽島市の2倍の面積、約10万㎡もあるのです。
写真の様に見渡す限りシーリーさんの土地なのです。
もちろん、お客様の希望があればさまざまな綿花を手配しています。
シーリーさんの高品質な綿を使い始めて、はや20年になります。
それには理由があります。
日本で例えるなら「お米」が解りやすいでしょうか。
よく、同じコシヒカリでも「魚沼産のコシヒカリ」がおいしいと言われます。
ですが、その裏にはその地域に合った品種改良がなされ、
土壌管理や水、肥料などを適切にやっているからです。
実は、私も農家なのでよく解ります。会社勤めをしながら稲作をすると、
休日しか作業が出来ない為に稲作がおろそかになってしまいます。
ましてや雨に降られたら翌週に延びてしまいます。
それでは、おいしい米が出来るわけありません。
こうして米作りの上手い人、下手な人の差が出るのです。
綿花も同じで、綿作に情熱をもってやっている人とは品質面で差が出ます。
つまり私たちは綿作が上手い人から高品質な綿花を買っているのです。
まさに契約農場みたいなものです。
シーリーさんとの最初の出会いは、今から20年以上も前のことになります。
年1回行われる綿花の国際的な会議(国際綿花諮問委員会)に出席した時に、
わざわざ日本の紡績会社が宿泊するホテルに訪ねて来られ、
その時に面談したのが弊社の綿花担当でした。
シーリーさんは「是非、日本の紡績会社に自分の畑の綿花を使ってほしい」と
お願いに来られました。担当者はシーリーさんの綿作における情熱に心を動かされ
「日本の紡績が希望する綿花について」、10年もの間、現地の綿花畑まで出向き
収穫場所毎のロット区分や綿のクリーニングの仕方を指導しました。
収穫が終わるとシーリーさんに来日頂き、実際に本社工場を見学され、
真心のこもった商品を見られ感動されました。
この様な親密な関係を築く事が出来、今日に至ります。
このような関係を築けた紡績会社は世界各国探しても他には無いと自負しています。
今では「HASE-1」とお伝えすれば、弊社の希望する綿花のグレード
(繊度、繊維長、強度、色)を供給して頂ける間柄となっています。
近年は地球の気候変動で、世界各地の綿作地で水不足に悩まされる年があります。
シーリーさんの畑も例外ではありません。収穫量が十分の一以下になった年もあり、
その様な時にも弊社向けに綿を確保して頂いた経緯があります。
前担当者はよく「コットンファミリー」という言葉を使われておりましたが、
まさにその通りです。
「2008年 前担当者とシーリーさんら関係者」
ただ単に綿花を買うのではなく、お互いを理解し良い人間関係を
築く事の大切さを感じました。
このご縁を私どもは大切にして、今後も良好な関係を継続してまいります。
そして、お客様にとってより良い商品づくりに、これからも
邁進して参りたいと思います。
(紡績部門 業務課 小笠原正人)
6月1日は当社の創業記念日です。
明治20年(1887年)に創業し、今年で131年目を迎えます。
こうして今日があるのも多くのお客様、お取引先の皆様、諸先輩方をはじめ
社員とその背後にあって支えて下さっているご家族の皆様のお陰です。
心より感謝御礼を申し上げます。
明治20年、初代長谷虎吉は地元との共存共栄を願い、当時なんの産業も無かった
地元に産業を興しました。
雇用創出することで、地域の発展とそこで暮らす人々の幸せ、そして、国家の繁栄を
願い続けました。その思いは、初代から今なお代々受け継がれています。
現在の礎を築いた、3代目の虎治にも、代々続くそうした強い思いがありました。
そして、3代目が特に力を入れたのは、社員教育です。
事業は人なり。
より良い仕事でより良い品物を作るには、それに携わる者の品性が高く無ければならない。
その思いの裏には、本人の若い時の苦難が大きく影響しています。
昭和初期、世界を襲った大恐慌は、当社にも例外なく影響しました。
生糸の相場は暴落し、その当時で100万円(現在の価値に換算すると10億円)の借金が残ったのでした。
当時、まだ10代だった虎治は、その光景を目の当たりにし、藁をもすがる思いで、
事業のことをある方に相談します。
その内容を聞いた廣池千九郎博士(モラロジー創建者、法学博士)の高弟、香川景三郎氏は
10代の青年にこう語りかけます。
「あなたは運命が悪い。もし運命が良ければ天下の財閥に生まれ、この様な借金に苦しむことも
なかったでしょう。だが、現在の運命の原因をいくら考えても仕方ない。
これからのあなたの運命を、あなた自身で良くしていけばよいのです。
そのためには、あなたの心づかいと行いによって、運命が変わってくるのですよ」
その言葉に強い衝撃を受けた青年に、さらにこう続けます。
「運命をよくするには、真の親孝行をしなさい。真の親孝行とは、心から親に安心、満足、
喜びを与えることです。親に仕えるのが天地の道であり、その親と子の道に絶対に服従しなければ
ならないのです。そして、親に安心を与えるには、尊敬し、兄弟が仲良くしなければなりませんよ」
その当時に虎治が認めた八訓が今でも残されています。
この17才の青年が書いた文字から、その時の強い決意や思いがひしひしと伝わってきます。
【八訓】
一、 忠孝
一、 正義
一、 勤勉努力
一、 生明日
一、 動世界
一、 常困難
一、 不相手人 為相手天
一、 商英雄
昭和五年四月十九日 之書実行 長谷虎治(十七才)
伝統と革新。そして、不変と可変。
創業から131年が経ちましたが、一貫して変わらなかったことは、創業者の理念と繊維に
携わってきたということです。私たちは繊維しか知りません。
だからこそ、繊維の可能性と魅力を誰よりも知っていると自負しています。
この長い歴史の中には、常に挑戦する姿勢がありました。
私たちもその挑戦する姿勢を失わず、新生ハセトラに向け邁進して参ります。
本日より、ホームページの内容もリニューアルさせて頂きました。
当社の事業の一翼を担う、紡績部門の内容を新たに加えました。
これから新しい取り組みなどにつきましても、随時アップして参ります。
引き続き楽しみにして頂ければ幸いです。
今後とも長谷虎紡績株式会社を何卒よろしくお願いいたします。
Domotex Asia 2018が
3月20日~22日の日程にて開催され視察の為中国上海に行って参りました。
今年で20回目となる展覧会では
40カ国から約1500ものエキシビジョンが参加されおり
数々の新しいデザイン、新しい素材が発表され
多くの来場者が訪れる会場は、
益々勢いの増す中国市場の熱気が高まっておりました。
全体のデザインは世界トレンドに沿ったものが多く感じられましたが
その中でも中国独自のオリエンタルな風合いや色彩、
歴史を感じるモチーフなどが見られ、その国の文化や風土を知ることができました。
縁起の良いモチーフとして「蝶」のデザインが多く見られ
蝶は中国語で“ディエ”といい、耋(としより)と同じ発音から「長寿」をイメージさせるため、
縁起物としてよく使われているとのことです。
また展示ではインクジェットプリントが非常に多くのブースにて展示されており、
アジア市場での勢いを肌身で感じることができました。
それらはピース品がほとんどで、
絵画のように額装して展示してあるものもあり、高級な印象を得るものでした。
その中でもリアルな表現が目に留まり、宇宙・動物・植物などをプリントしており、
数メートル離れると写真かのように思えるほどのリアルな表現の物はありました。
カラフルで緻密な表現も多く展示されており、
「見て、触れて」楽しむという展示形式で来場者を楽しませておりました。
これからも技術やデザインを学び続け
より良い商品をご提供できるよう取り組んで参ります。
今後とも長谷虎紡績株式会社を
どうぞよろしくお願いします。
ゴールデンウィークも終わり、風薫る新緑の季節となりました。
さて、先月のことになりますが、4月2日、入社式が執り行われました。
今年は10名の新しいメンバーが、当社の一員に加わってくれました。
当日は素晴らしいお天気にも恵まれ、新入社員10名の爽やかでフレッシュな
雰囲気と相まって、本当に清々しい穏やかな一日となりました。
また、入社式の前後には様々な研修を開催させて頂きました。
ものづくりの基本となる、安全や品質について、基本的な社会人としてのマナー、
そして道徳と品性の大切さなど、その内容は多岐にわたるものでした。
新入社員10名も真剣な眼差しで、メモを取る姿にこちらも共感し、
これからの明るい未来を確信しました。
4月30日には、新入社員歓迎会を開催させて頂きました。
当日は羽島市内のグランドをお借りして、社内紅白ソフトボール大会を開催し、
皆で和気あいあいと汗を流しました。
ソフトボール未経験者もバッターボックスに立ち、皆で楽しく交流させて頂きました。
その後、場所を移し皆で歓迎昼食会を行いました。食べ放題メニューを選びましたが、
さすが10代の食欲はすごい!
見ているだけでお腹一杯に。若いパワーを頂きました。
4月21日には、当社のOB会である「桔梗会」が執り行われました。
今年でこの桔梗会も55回目を数え、今年は25名のOBの皆様にお集まり頂きました。
当日は、本社講堂にお集まり頂き、総会や記念法要、福安寺住職様のご法話、
そして会食を和やかに開催させて頂きました。
会食中は各テーブルで昔話しに花が咲き、皆様の笑顔と笑い声に溢れ、
会場内は華やかにそして若葉が光り輝くかのような雰囲気に包まれ、無事閉会させて頂きました。
こうして今があるのは、多くの先人先輩方のお陰です。
この桔梗会を通して、改めて当社に息づく長い歴史と伝統を感じました。
そして、今年新しくご縁を頂き、入社してくれた10名の新入社員の姿を通して、
この歴史と伝統をこれからもしっかりと繋げて行かなければと強く感じました。
当社も6月1日には131年目を迎えます。
新生ハセトラに向け、これから新しい挑戦をしていきます。
そして、当社の創業記念日である6月1日より、ホームページもリニューアル致します。
新しくなったホームページを楽しみに、また引き続きご覧頂ければ幸いです。
弊社の紡績事業部のテキスタイル・アパレル部門において3月2日(金)繊研新聞の一面に
新しい取り組みとその開発秘話が掲載されました。
繊研新聞は、業界紙ではありますが、
繊維業界ではとても多くの方に購読されております。
クライアント様のゴールドウィン
『ザ・ノース・フェイス』2018-19秋冬コレクションにおいて
高い保湿性を備え、水濡れに強いダウンを使った
『サンダージャケット』が発表されました。
記事中のスキーヤーで冒険家の三浦雄一郎さんからも
『温泉に入ったような暖かさ』と評価を頂いている混率は
ダウン60%(そのうちフェザー6%)ポリエステル40%で従来より合繊の比率が
高いハイブリッドダウンです。
その素材開発は従来の商品よりも、より社会にとって良いこと
より人びとにとって良いことを追求し、
諦めることなく不可能に挑戦したからこそ実現しました。
もちろん、この開発が実現したのは当社だけの力ではなく
共にものづくりを行うパートナー様が居てこそ。
まさに、素材だけでなく、業種間・職種間を超えたハイブリットと言えます。
今後も常に新しいことに挑戦する姿勢を失わず
より良いものづくりを愚直に追求して参りますので
引き続きご愛好の程よろしくお願い申し上げます。
早くも1ヶ月が過ぎ、如月に入り2月9日には
平昌オリンピックが開会され、今から
日本勢の熱い戦いが繰り広げられると期待しています。
さて、先月の事になりますが、1月6日に新年を迎え
改めて社員一同の士気を高め
さらなる技術・センスの向上、躍進に向け努力
精進するよう、年賀式を行いました。
長谷虎紡績株式会社では毎月始めに月例会を
行っていますが1月の月例会となる年賀式では
社員一同非常に大切にしている道徳心について
正眼寺ご住職の山川宗玄老師をお招きして
記念講演を開催いたしました。
老師の記念講演での学びと致しまして
禅語「懸羊頭 賈狗肉」(ようとうをかけて くにくをうる)
見せかけが立派でも実質が伴わず
見かけ倒しのことを言うのだそうです。
我々も見かけ倒しにならない様に
仕事を一生懸命に行い
お客様に安心、喜び、満足をして頂ける商品
サービスをご提供し続けていきたいと
改めて身の引き締まる思いで拝聴いたしました。
大変遅くなりましたが、
皆様にとって幸多き1年になりますようお祈り申し上げ
年始のご挨拶とさせて頂きます。
本年も引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。